東京ステーションギャラリー

本日から4月9日まで。入場無料です。

22日から駅構内の東京ステーションギャラリーで、「東京駅の歴史展」を開催する。同駅などが所蔵する美術品24点と写真80点のほか、開業当時の駅員の制服や後藤新平初代鉄道院総裁の書、辰野金吾の同駅設計図など貴重な資料が展示される。
戦後の一時期、湯河原のアトリエに通うため同駅を利用していた大観は、ある日、東海道線の事故で足止めされた。ホームでじっと待つ大観を見かねた駅員が駅長室に案内したところ、空爆で壁が黒ずみ、ひびも入っている生々しい戦争の傷跡に驚いた大観が「この部屋に絵を飾りましょう」と提案。数ヶ月かけて「富士に雲」(横174cm×縦153cm)を描き、届けたという。国鉄は、謝礼を固辞した大観に日本画に使う金粉を贈った。
大観は1953年に同駅貴賓室が再建された際も「富士に桜」を寄贈した。この時の国鉄からのお礼は清酒2本。「酒仙」と言われた大観らしいエピソードだ。時価数億円と言われる「富士に雲」の公開は11年ぶり3度目。
他に公開されるのは、鈴木与四郎の「東京駅修復の絵」、長谷川一陽の「紅富士」、三沢忠の「雪の国道117号線」、中国・北京駅から東日本鉄道文化財団に贈られた常平の「梅花」など。ブロンズ像は中野四郎の「女性裸像」など2体で、後藤新平の「学ぶにひさしく晴れて山あり」などの書2点も展示される。
(2006年3月19日=MSN-Mainichi)

当時、金粉は貴重品で、喜ばれたとか。
無茶苦茶なプロジェクトに放り込まれた人に教えそびれたのが悔やまれます。