桃花台線バス転換へ

経営破綻が心配されている桃花台線ピーチライナー*1が今年秋で廃止される見通しになった。運営する第三セクター桃花台新交通に出資する神田真秋愛知県知事は、24日にも、小牧市の中野直輝市長に廃止の方針を伝え、最終協議に入る。同市も「市単独での運行継続は不可能」としている。新交通システムの廃止は全国で初。代替交通としては新しいバス路線の開設が検討されている。
新たなバス路線は、ニュータウンを周回し名鉄小牧駅や市役所、市民病院などを結ぶ複数ルートを検討。県はあおい交通(小牧市)など2社と協議を進めており、早ければ9月の運行開始が見込まれる。
同線の利用者は、ニュータウンの居住人口が伸び悩んだことから、想定した一日約12,000人の1/4程度に低迷。赤字続きで累積損失は64億円まで膨らみ、9月に資金が枯渇するため存廃判断が迫られていた。
県や市などは収支改善に向け、経費を大幅に減らせる新システムとして無人運転の磁気誘導式バスへの切り替えを検討したが、導入経費と年間経費が当初試算の25億円を計9億円も上回ると判明。今後の利用客減少も加味すると、将来も単年度黒字や累積損失の解消は望めないという。
桃花台線の建設は約313億円かかり、このほか県と市などが出資金や貸付金として約70億5000万円を投入。仮に新システムを導入しても、採算をとるために現在片道250円の最高大人運賃を640円に値上げするか毎年約3億7000万円の公的資金を注ぎ続けなければならない。
(2006年3月16日=Chunchi Web Press)

*1:愛知県が開発したニュータウンの足として1991年3月開業。名鉄小牧線と接続し、延長7.44kmで7駅を結ぶ。運営会社の桃花台新交通には県が46%、小牧市名鉄が各10%出資している。