羽越本線運転再開

工事は、6日に終わっていたのですが、対策も決まったようです。

特急「いなほ14号」の脱線事故で不通になっている鶴岡〜酒田間の運転を19日始発から再開する。運転再開に当たって、

  1. 風速計を新たに脱線現場の砂越北余目間から秋田寄りにかけて3箇所増設し、風速計と信号を連動させたシステムを作る
  2. 突風の直撃を受けた第2最上川橋梁(長さ627m)の周辺に計2.3kmにわたり、恒久的な防風柵を設置する
  3. 防風柵が完成するまでの期間、現場付近で45km/hの徐行運転を行う

などを骨子とした緊急対策を実施する。
21日から始まる大学入試センター試験などを控え、沿線自治体からも運転再開要請があった。
(2006年1月17日=MSN-Mainichi)

他にも、こんな問題も出たりしているようです。

羽越本線は貨物輸送の大動脈で、名古屋・関西・九州〜北海道、東京〜新潟〜秋田などを結ぶ10〜20両編成のコンテナ列車が1日に計10往復している。
年末年始の休暇が明けた今週からは、企業活動にも影響が出ている。酒田市の化学メーカー「東北東ソー」は、貨物列車でしか運べない塩素の生産をストップ。担当者は「青森回りの貨物列車の手配は23日以降になりそうで、顧客に迷惑をかけてしまう」と苦慮している。
JR貨物は事故後、太平洋側を回る臨時列車の運行に加え、11日からは酒田〜新潟間に代替のコンテナトラックを走らせている。荷主側などからは、「トラックでは輸送費が1.5倍以上になってしまう」(JA熊本果実連)、「届くまでに時間がかかっては売れないので、葉物野菜を九州産から関東産にした」(マックスバリュ東北)という声も出ている。
(2006年1月13日=Yomiuri On Line)

山形県知事も、看過できずに陳情したとか。

斎藤弘知事が16日、国土交通省を訪れ、北側一雄国交相に、「事故で犠牲になった方々の遺族の感情はもちろん、県民の安全確保の面からも事故原因の徹底究明が前提」と前置きした上で、「羽越本線は生活や産業に重要な幹線であり、早期の運転再開を望む県民の声が高まっている」と説明した。
会談後に斎藤知事は「原因究明と早期の運転再開は相反する側面があるが、(国土交通省には)メリットとデメリットを高度な技術面から考量して適切な判断を望みたい」と述べた。
(2006年01月16日=河北新報

JR東日本からのアナウンス。

  • 当面実施する対策
    • 当該箇所への対策
      1. 風速計を3箇所、増設。
      2. 気象状況の急変があり得ることを考慮して45km/h に徐行。
      3. 風速20m/s で速度規制(25km/h)、風速25m/s で運転中止(いわゆる「早め規制」)に変更。
      4. 風速計と連動して列車を停止させる特殊信号発光機を新設。
      5. 気象情報に基づく早期警戒、運転規制を実施。
      6. 当該箇所の鉄橋及び築堤区間約2,300mに防風柵を設置(11月末予定)。なお、防風柵の完成時点で上記徐行は解除。
    • その他箇所への対策
      1. 風速計の既設箇所には基本的に複数の風速計を設置。
      2. 在来線において風規制のある箇所については全て、暫定的に風速20m/sで速度規制(25km/h)、風速25m/s で運転中止(いわゆる「早め規制」)に変更。なお、この早め規制については、委員会で必要性の可否等の結論が出た場合、防風柵などの設備上の対策を実施した場合、気象情報の活用精度が上がった場合等においては一般規制に戻すことがあり得る。
  • 「防災研究所」の設立

(2006年1月17日=JR東日本
<参考>JR東日本における風規制箇所

  • 一般規制(風速25m/s で速度規制、風速30m/s で運転中止)=181箇所
  • 早め規制(風速20m/s で速度規制、風速25m/s で運転中止)=41箇所

う〜む。0→25→130っていうのもチト極端な気がするなぁ。
気づかなかったのですが、JR西日本では、6日に規制強化を打ち出しています。