Winnyを契機に情報処理技術の発展と社会的利益について考えるワークショップ

  1. P2P技術の動向とWinnyの機能と構成(宇田 隆哉(東京工科大学))
  2. ネットワーク管理者からみたP2P技術(岡村 耕二(九州大学))
  3. P2Pにおいて不正コピー防止は可能か(丸山 宏(日本IBM))
  4. ネットを用いたP2Pファイル交換をめぐる日米における従来の裁判の動向(岡村 久道(弁護士/近畿大学))
  5. P2Pソフトウエア(winny)開発者の刑事責任に関する問題点(壇 俊光(弁護士/北尻総合法律事務所))
  6. Winny(幇助)事件−公開情報から見た権利団体の見解等について−(落合 洋司(弁護士/イージス法律事務所))
  7. パネル討論(岡村 耕二、丸山 宏、岡村 久道、壇 俊光、落合 洋司、瀬川 典久(岩手県大))
    • Winny開発者の逮捕はソフトウェア技術者を萎縮させないか?
      • Soft etherやRubyのような、日本が誇れる技術者が出てきて欲しい。作った人を処罰すべきではない。そんなことをしても外国製が出てくるだけだ。(丸山)
      • 今回の事件は、技術全般に影響を及ぼす。freenetは表彰されたが、それより優れているWinnyは逮捕されてしまった。(壇)
    • P2Pはどう使えるか?
      • ISPのcacheに似ている。韓国では、既にダウンロードしたものに課金するサービスがあるようだ。(岡村耕)
      • セキュアである。Hybrid型は、サーバーが狙われる。(壇)
      • 電子政府でも使える。市町村−都道府県ー中央というスター型である必要はない。(会場)
      • 負荷分散はよくできているが、匿名性がネック。放送的なものまで発信元を隠してよいのか。(会場)
      • データを削除する機能も必要。(会場)
      • 専門家のsubnetが簡単に構築できそうだ。(会場)
      • 匿名性は必要だが、「匿名=信用されない」でもある。(会場)
    • Winny開発者の逮捕は刑法上、問題ないか?
      • 著作権を崩壊させる」などと誰が言ったのか、皆目、見当がつかない。(壇)
      • 幇助犯の成立要件は、非常に緩い。この辺の明確化が、今後の課題。(落合)
    • 学会の果たすべき役割は?
      • 結論は司法に委ねるとして、国民にわかるように説明すること。(会場)
      • プレスリリースと報告書(サマリー付き)を出して欲しい。(会場)
      • Winnyによる経済的損失は、どのくらいなのか?経済の専門家も呼んで欲しかった。(会場)

1〜3は技術的立場から、4〜6は法律的立場からの発表でした。
落合弁護士が、各権利団体に声をかけられたのですが、皆さん辞退されたようで。まぁ、来たくないというのはわからんでもないですが、権利団体という看板を背負っている以上、それでいいのかと小一時間。
結構、知っている人がいました。産業総合研究所の高木さんとか、WEB110の吉川さんとか、某大手通信会社のHさんとか、某ISPのMさんとか、TOTOROさんとか。